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3・11特別企画=原発事故をきっかけにゴイアス移住した日本人=西牟田靖

3・11特別企画=原発事故をきっかけにゴイアス移住した日本人=西牟田靖=(下)=施設手前で線量計「ピー」=未来の福島、今のゴイアニア

オデッソンさんたち、被ばく者の思い出は汚染物質としてこの地に埋設・管理されている

 原発事故によってブラジルに移住した一條・ルシアノ夫妻。彼らとともに車で、1987年9月~10月にかけて起こった被ばく事故現場へと向かった。 まず訪れたのは、廃棄物が保管されている施設である。ここはゴイアニア中心部から西に約30キロのところに位置している。有刺鉄線の向こうには、古墳のような土の盛り上がった場所が見える。ここの地下 ...

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3・11特別企画=原発事故をきっかけにゴイアス移住した日本人=西牟田靖=(中)=放射能汚染事故現場を訪ねる=「私の過去が放射能ゴミに」

事故の現場。隣家は取り壊されず、今も人が住んでいる(西牟田さん提供)

 一條直子さんは夫のルシアノさんとともに、2011年3月の震災を機会にゴイアス州へと移り住んだ。そのゴイアス州ではかつて大規模な放射能汚染事故が起こっている。1987年9月~10月のゴイアニア被ばく事故である。これにより少なくとも250人以上が被ばくし、4人の民間人が命を落とした。腕や指を切断した者、さらには長い間、身体の不調に ...

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3・11特別企画=原発事故をきっかけにゴイアス移住した日本人=西牟田靖(にしむたやすし)=(上)=震災直後、家族と猫2匹で=母「あの家で死にたい」

一條直子・ルシアノ夫妻(右)と記者(西牟田さん提供)

 ノンフィクション作家の西牟田靖さん(45、大阪)=東京在住=が放射能汚染の危険な事例や、ハイパーインフレ時代の生活観などを取材するため2月8日に来伯した折、本紙への寄稿を依頼すると心良く了解し、帰国後にこの原稿を書き送ってきた。『誰も国境を知らない 揺れ動いた「日本のかたち」をたどる旅』(08年、朝日文庫)等数々の話題作を発表 ...

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