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2015年

終戦70周年=〃台風の目〃吉川順治の横顔=身内から見た臣聯理事長=(2)=文武両道のインテリ陸士

軍服姿の吉川順治中佐(『Corações Sujos』Fernando Morais、2000年、カンパニア・ダス・レストラス社、68頁)

 早田(そうだ)さんは「日露戦争に騎兵として従軍し、コサック兵と切りあって負傷した。その功績から金鵄勲章をもらったと聞いています」と振り返る。開戦時、吉川は27歳。金鵄勲章は軍人軍属のみが受勲できる。 『百年の水流』(外山脩、12年、283頁)には、詳しくその話が書かれている。 《尉官時代に出征。戦場で斥候長をつとめていたある日 ...

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終戦70周年=〃台風の目〃吉川順治の横顔=身内から見た臣聯理事長=(1)=有名ゆえに抹消された男=軍人目指し新潟から徒歩上京

早田正明さん

 コロニアにおいては超有名なのに、経歴や人柄が分からない不思議な人物に、吉川順治がいる。退役陸軍騎兵中佐で勝ち組最大の団体「臣道聯盟」理事長として、終戦直後に起きた「勝ち負け抗争」について記述される際には必ず名前がでる。その割りにコロニアの人名事典の類に彼に関する記述は皆無だ。それゆえ出身地や誕生年、没年など分からないことが多い ...

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戦前戦後3度勤務した重松さん=在聖総領事館開設100周年=(下)=桜組挺身隊に襲われケガ

桜組挺身隊がセー広場を行進する様子(パ紙55年2月4日付)

 1954年12月4日付パ紙トップ記事《桜組挺身隊一斉検挙さる》の記事中にも《ぬかに釘、重松副領事説得に赴く》との小見出しで、警察署に収監されている同隊18人と数時間にわたって〃懇談〃して、彼らが求める無料帰国の《実現性がないことを諄々と説いた》とある。 いわば総領事館を代表してコロニア問題の一番の矢面に立ち、何度も何度も挺身隊 ...

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戸籍謄本守った移民領事=在聖総領事館開設100周年=(上)=戦中親戚に分けて預ける

現役時代の重松万太郎さん(家族提供)

 在サンパウロ日本国総領事館(初代総領事・松村貞雄)が開設されたのは1915年7月14日――それから100周年を迎えた今年、記念行事も予定されている。その機会に、戦前から同館に勤務していた重松万太郎さん(1898―1981、佐賀)の珍しい物語を娘の古藤重松艶子さん(81、二世)に聞いた。大戦勃発により交換船で帰国して本省勤務、戦 ...

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ガウショ物語=作者の紹介と本作の特徴=中田みちよ=(下)=ブラジル版『遠野物語』

牛肉を干してカルネ・デ・ソールを作っているところ(Foto=Aline Cruz, site de UFMG)

 地元に経済的な活況をもたらした牧畜。そこから派生する皮革の輸出。そして食肉。シャルケとよばれる干し塩肉の産地です。冷凍技術のない当時は、全国的にこのシャルケが流通していました。歴史的には18世紀のセアラー州が端緒になっていますが、その後に南リオ・グランデ州の方に南下、普及していきます。もっとも、80年代になってから、カルネ・デ ...

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ガウショ物語=作者の紹介と本作の特徴=中田みちよ=(上)=ガウショ物語の解説にかえて

 翻訳サークル「アイリス」が手がけた「ガウショ物語」です。短編は訳し易いはずなのですが、話は南リオ・グランデ州の民話ですから、方言の多いこと、多いこと。ひどいときには一行全部が未知の語彙。「コウサンだ」と投げ出したくなるときもあり、怠ける私にサークル仲間は一途にノルマをこなして、ようやく完了にこぎつけることができました。 この「 ...

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