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子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み

子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み=(8・終)=県もグローバル人材推奨

勉強するめぐみ教室のこどもたち

 3月の同町議会では、来年度から西小、清水中にそれぞれ一人ずつ支援員を配置するための予算案が審議される予定だ。  教育総務課によると、ポルトガル語とスペイン語が話せる支援員と、フィリピノ語が話せる支援員二人が、西小と清水中を中心に入り込み支援をするほか、必要に応じて町内の他の小中学校へも回り、日本語の苦手な父兄のために保護者面談 ...

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子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み=(7)=望まれる小中の協力体制

めぐみ教室の入口

 「『中1ギャップ』という言葉があるでしょ」。中学校で感じた違和感をぶつけると、西小の鈴木校長は少し考えてから切り出した。  中1ギャップとは、小学校から中学校に進学する際うまく馴染めないことで、不登校やいじめに繋がっていくと言われている。  文科省ではその原因として、小中の接続が円滑でないこと、具体的には学級担任制と教科担任制 ...

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子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み=(6)=小学生と中学生の違い

技術の授業での入り込み支援

 支援員の芹沢淳子さんは教員と支援員の両方の立場を体験して気づいたこともあるという。  「やはり、先生には見せない面を支援員には気軽に見せられるということもあると思います。『じゅんこー!』なんて呼ばれたりして、明らかに気楽な存在。わたしのほうも、限られた時間しか見られないし、教師という立場ではないけれど、精一杯見守って感じ取って ...

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子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み=(5)=支援員の悩み

中学校での入り込み支援の様子

 めぐみ教室の大上先生に、日本語支援の特別学級を担当することについて、どう考えるかを聞いてみた。  「必要だし、とてもやりがいのあることとは思いますが、ずっとここにいられるわけでもないですからね。教員なので担任も持ちたいですし、ほかの授業も受け持っていて、これだけに集中することができない」とのもどかしさを打ち明けた。  「学校内 ...

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子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み=(4)=「外国からの転入生ありがたい」

地域コーディネーターの石川さん

 西小学校内の日本語支援の特別教室「めぐみ教室」で子どもたちを後ろから見守り、作業を手伝うのは、10年以上同小でボランティアとして日本語支援をしてきた石川嘉男さん(79)だ。  石川さんは、日本語支援だけでなく、学校行事に招かれたり、家庭科の調理実習に呼ばれたりと、様々なことで学校に顔を出す。日本語支援を受ける児童だけでなく、全 ...

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子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み=(3)=「取り出し」と「入り込み」

めぐみ教室の様子

 めぐみ教室の予定黒板は1時間目から5時間目まで全部「こくご」。内容にその時間にやってくる子どもたちの名前が書かれている。  全校へ向けて出されるめぐみ教室の時間割には、同教室に通う子どもたちの笑顔の写真が載っている。「みんなと一緒に勉強したり話したりできるように日本語の勉強を頑張っています。めぐみに行く時間を教えてあげたり、代 ...

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子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み=(2)=児童の指導記録の重要性

西小校長先生

 町立西小学校(鈴木恒校長)は、柿田川湧水や緑地が近くにあり、のどかな景色に囲まれた児童数480人の中規模校だ。このうち約60人が外国につながる子どもたち。  「つながる」というのは、日本国籍があっても、片親が外国人、両親が日本人でも外国で生まれ育ったケースなども含んでいることを表す。  反対に両親が外国人であっても、日本で生ま ...

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子供たちの体温は伝わるか?=静岡県清水町の教育の取組み=(1)=多様化する小中学校の現実

中学の授業の様子

 【静岡県発】外国につながる子どもたちが、日本の学校で学び、地域や社会で活躍できるようになるには、何が足りないのだろうか。今後も外国人・日本人の出入りは増加し、地方都市のグローバル化が進んでいくことが予想されるが、いつまでも「外国人は例外」の扱いをされている。静岡県清水町を舞台に、小さな町にありながら、できることや人を駆使して日 ...

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