ブラジリア国立競技場 (Foto: Tomás Faquini-Faquini/ Portal da Copa)
ブラジリア国立競技場 (Foto: Tomás Faquini-Faquini/ Portal da Copa)

ブラジリア

ニッケイ新聞 2014年5月20日

【試合開催日】
■6月15日午後1時、スイス対エクアドル■6月19日午後1時、コロンビア対コートジボワール■6月23日午後5時、ブラジル対カメルーン■6月26日午後1時、ポルトガル対ガーナ■6月28日午後5時、準々決勝■7月4日午後1時、準決勝■7月12日午後5時、3回戦。

 建築家のルシオ・コスタとオスカー・ニーマイヤーが手がけた首都で連邦直轄区のブラジリア。1960年に完成、わずか4年で建設された、世界で唯一の〃過去の無い〃首都だ。
 全てが近くに集まっているようで、意外にそれぞれの見所が離れているブラジリア。効率よく回るためには、シティツアーに参加するのがよさそうだ。Catedral Turismo(catedralturismo.com.br/)という旅行代理店が扱っているので、チェックしてみたい。
 ただ、宿を今から確保するのは簡単ではないようだ。世界最大の旅行口コミサイト「Trip Advisor(R)」によれば、W杯期間中の平均宿泊費はなんと96%も上がっているとか。

■1日目
 ブラジリアは、上空から見ると飛行機の形をしている。その機体の中心部に当たるEixo Monumentalと呼ばれる大通りは、鉄道とバスのターミナルから大統領府、二つの連邦議会、最高裁判所がある三権広場までをつなぐもので、16キロにも及ぶ。ブラジリアは数々の芸術作品に彩られた都市だが、その一部を、この三権広場周辺から観ていこう。
 お椀をそれぞれ上向き、下向きに置いた形をした連邦議会の中には、一般人にも公開されている。Salao Verdeと呼ばれる部屋には、ブラジルで重要な画家の一人Di Cavalcantiの絵画が展示され、造形作家のAtho Bulcaoによる彩色タイルが飾られている。
 最高裁の前にあるのは目隠しをしている姿で有名な「正義(Justiça)」という彫刻作品。三権広場の象徴的な存在なのは、「Os guerreiros(戦士たち)」というブロンズ像で、「Os Candangos(北東部出身のブラジリア建設労働者)」という呼び名で知られている。1959年、主と建設に関わった8万人の労働者へのオマージュで造られたもので、高さは8メートルある。
 外務省の本部建物Palacio do Itamaraty(イタマラチー宮)には、環境デザイナーで造園家のBurle Marxが手がけた、美しい庭や池などで構成されたランドスケープが広がる。庭には著名なブラジル人アーティストのAlfredo Volpi、Victor Brecheret、Lasar Segallなどの作品がある。
 夕方は、人造湖のパラノア湖で夕暮れを楽しみたい。夕食は、パーク・ショッピング(住所=SAI/SO Área 6580 – Guará, Brasília – DF, 71219-900、HP=www.parkshopping.com.br)に行けば、たくさんレストランが入っている。

■2日目
 都市計画プロジェクトに基づく人工的な都市で、未来的な建物が立ち並ぶブラジリアだが、市民の憩いの場所ももちろんある。それがParque da Cidadeだ。サイクリングやウォーキングができる遊歩道、湖、遊具、カフェテリアなどがある。軽食を買ってPraça Eduardo e Mônicaという広場でランチをするのもいいかもしれない。
 その後はパラノア湖をボートで散策してみよう。Lake Tour(HP=Laketour.com.br)、Barca Brasil(barcabrasilia.com.br)という会社がツアーをやっている。
 パラノア湖にかかる、ブラジリア建設を実行したジュセリーノ・クビシェッキ元大統領の名前を付けた橋(Ponte JK)と、セラード(ブラジル中部のサバンナ)の大地へ落ちる美しい夕陽の写真を撮るのも一興かも。
 お腹がすいたら、湖沿いの商業施設O Pontao do Lago Sul(HP=www.pontaodolagosul.com.br/pontao/home)に行ってみよう。多様なレストランやバーが入っている。
 海産物の料理を味わいたい人は、「ブラジリア・ショッピング」内にある」Coco Bambu(www.brasiliashopping.com.br/alimentacao/coco-bambu)というレストランもお勧めだ。

■3日目
 中日にゆっくりした後は、もう一度ブラジリアの美しい建築物を見てみよう。見逃せないのはメトロポリターナ大聖堂(Catedral Metropolitana、HP=catedral.org.br/)だ。一度見たら忘れられない、インパクトある巨匠オスカー・ニーマイヤー設計による外観が目を引く。内部は、有名画家Di Cavalcanti、Athos Bulcão、彫刻家Alfredo Ceschiattiの作品を鑑賞できる。
 幻想的な雰囲気が魅力的なドン・ボスコ聖堂(Santuário Dom Bosco、HP=santuariodombosco.org.br/)の青と紫を基調としたステンドグラスも、一見の価値ありだ。
 ブラジリアの全貌を見てみたい人は、テレビ塔に登ってみるのもいい。高さ75メートルの塔の頂上からは、街を突き抜けるEixo Monumentalを一望できる。
 ミュージアム好きな人は、官庁街にあるドームの形をした国立ミュージアム(Museu Nacional)に行ってみるのも面白いだろうし、クビシェッキ元大統領をオマージュしたMemorial JK(memorialjk.com.br)には、ブラジリア建設の歴史や元大統領に関する貴重な資料が収蔵されている。
 夜はブラジル銀行文化センター(Centro Cultural Banco do Brasil、www.bb.com.br/cultura)に行って、映画や演劇なを観てみるのもいいかもしれない。

 

お勧めサイト

ブラジリアの情報サイト(英語もあり)http://www.vemviverbrasilia.df.gov.br/

週刊誌『Veja Brasília』のオンライン版
http://vejabrasil.abril.com.br/brasilia/materia/praca-dos-tres-poderes-2159

政府の公式W杯サイト ブラジリアのページ
http://www.copa2014.gov.br/pt-br/brasilecopa/cultura/brasilia_patrimonio

ブラジリアの情報ポータルサイト
http://dicasdacapital.com.br/