日系連の基盤固め―ブラジル日本文化協会々長 岩崎秀雄

日系代表新世紀の抱負

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 輝かしい新世紀の二〇〇一年の新春を迎えまして、日系社会の皆様方のご健勝とご発展を心からお祝い申し上げると共に、旧年中、当ブラジル日本文化協会に賜りました、ご支援、ご協力に厚く御礼申し上げます。
 昨年度、ブラジル日本文化協会は十一月五日、記念講堂において、鈴木勝也大使はじめ内外のご来賓多数を迎えて、創立四十五周年記念式典と併せて日本移民史料館増築部展示場の落成式を、盛大に挙行することが出来ました。これも偏に日系社会の皆様方のご支援、ご協力によるものとして、改めて御礼申し上げます。
 本年度はいよいよブラジル日系団体連合会が、新世紀へ向けて第一歩をふみだす記念すべき年でありますが、何分にも連合会は発足したばかりの、基盤の整わない団体ですので、当文化協会が協力することは勿論ですが、日系社会の皆様に、引き続きご支援、ご協力をお願い申し上げる次第でございます。
 この日系団体連合会ができたことによって、文協はその傘下の一団体となって、次第に陰が薄くなってしまうのではないかと心配する向もあるようですが、勿論将来は、そうなる可能性は充分ありますが、しかし、それは日本語の新聞がペルーのように無くなって、将来ブラジル語だけになってしまうのではないかと、心配するのと同じで、すぐにという訳ではありません。
 丁度、一家の家長が、息子の育つにつれて、次第に事業をまかせて行くように、文協も当分の間、注意深く見守りつつ、徐々に力をつけてやりたいと思っております。
 尚、今年の六月にはブラジル日本移民は九十三年を迎える事になりますが、われわれ日系社会としては、何とか日本政府に頼らずに、日系社会のことは日系社会だけでやって行きたい、独立独歩の体制を作ることを目標にやって行きたいと考える者ですが、如何でしょうか。
 勿論、日本人で、病気や体が不自由な方を助けることは、日本政府の義務でありましょうし、われわれとしても見捨てておけない問題でありますが、これは例外でありましょう。
 はなはだ僣越なことを申し上げ恐縮に存じますが、当ブラジル日本文化協会と致しましては、新年を迎えて心を新たに役職員一同出来る限りの力を尽くす所存でございますので、何卒よろしくお願い致します。
 二〇〇一年が、ブラジルに住むことの幸せ、を味わえる良き年となりますよう、皆様と共に祈念いたしまして、私のご挨拶とさせて頂きます。