県連と日系社会=ブラジル日本都道府県人会会長 中沢宏一

2003年1月1日(水)

新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
 多々ある県連の行事の中から主な活動と計画を述べ、年頭の言葉と致したいと思います。
 ブラジルの日系社会は各々の組織の独自性を活かしながら、他組織との交流、連携を計り時代に即した形を構築する時代と思います。世界的なグローバリゼーションが進む中、第一に日本や国内との連絡、情報交換にはインターネットやネットワーク化によるシステムの確立です。都道府県人会間と県とのシステムが出来れば、在日本の日系人との交流に道が開けます。宮城県の例をとると「宮城・ブラジル友好協会」には在宮城の日系ブラジル人も入会しております。出稼ぎ者が定着して移住者と変わりつつある日系人が各県及び市町村のブラジル関係の協会に入会し県人会との交流が進めば、自ずと地域社会への参加と地位向上に役立つでしょう。
 第二に「日本郷土食・郷土芸能まつり」(フェスティバル・ド・ジャポン)は、昨年サンパウロ州議会駐車場で開催され、三十万人の人出で賑わいました。このフェスティバルは各県人会の郷土食と芸能、文化の紹介から始まり、今では総合的な日本文化の祭りとして発展しております。昨年より州の公認行事として認められました。この行事には国内から世代を超えた日系人が来場し、若い人たちの参加で、交流が盛りあがりました。
 今年も同じ時期に開催を予定している、岩手・宮城両県人会創立式典、戦後移住五十周年記念行事、「二十一世紀の日伯地域リーダー交流事業」及び関連行事等が加わり、日本政府、各県、姉妹都市にも参加を呼びかけておりますので、日伯間の広範な交流の場としての意義を持つ一大イベントとなることを期待しております。
 昨今「ブラジル社会で実力があってもコロニアの活動に参加していない人物を発掘し、参加してもらうのが急務だ」と言われていますが、「フェスティバル・ド・ジャポン」と「戦後移住五十周年記念」の二つの行事には、すでに多くの人材が参画しており「留学生・研修員OB会」・「ブラジル創生会」を含め新しい力が生まれております。 現在、コロニア各界で二〇〇八年に行われる日本移民百周年の準備が始まっております。この記念すべき節目を成功させるために、日系社会の総力を持って事に当たる必要がありますが、今年は日本からもそれなりの方が来伯され、日本移民百周年の聖火台に灯をつける年であると思います。