6千個のもちつき=大みそかにぎわう東洋人街

1月7日(火)

 もちつき祭りが三十一日午前九時半から、サンパウロ市リベルダーデ広場で開かれた。広場の周りには、『祭』と書かれた赤、白、黄、緑ののぼりが春風にはためき、コバルト色に晴れ上がった空にまぶしいほどだ。
 池崎会長たちがもちをついたあと、六千個のもちが配られた。リベルダーデ広場に長い列ができ、紅白のもちが入った袋を持った人たちは、南米大神宮が設置した茅(ち)の輪をくぐり、同神宮の祭壇前で宮司が一人一人握手した。祭壇には一対の榊(さかき)とお神酒どっくりの横にもち、水、ニンジン、大根、キュウリ、ゴボウ、ブドウが供えられた。もちの入った袋にはポルトガル語でかかれた浦島太郎の漫画パンフレットも添えられている。
 ちの輪くぐりの横では日・韓・ポルトガル語でキリスト教の布教をする韓国人宣教師の姿もあった。大みそかとあって、処刑者のための教会も開けられた。
 サンパウロ総領事館から西山巌邦人保護・証明班担当領事が出席、リベルダーデ広場でもち一俵がつかれた後、来賓はリベルダーデ通り三六五番の東洋会館で雑煮に舌鼓を打った。池崎会長、網野弥太郎さん、山内淳さんたちがほろ酔い機嫌で移民の歌、童謡、軍歌などを威勢よく歌い、NHK取材班が「懐かしい歌を歌ってますね」と、にこにこ顔で取材していた。
 もちつき祭りを開いたのはリベルダーデ商工会(池崎博文会長)、ブラジル日本都道府県人会連合会(中沢宏一会長)、南米大神宮の三団体。
 八団体・個人から寄付されたもち米八俵で、ヒデタカ・カナザワさんが六千個のもちをついた。もち米を寄贈したのは文協、県連、南米神宮、レジストロ文協、カステーラ菓子店、オズワルド・オヤドマリ、ノリオ・ヤギュウ、ジョン・スヤマさん。