こんにゃく作るコツは?=樋口さん「いたわりの心」

1月14日(火)

「美味しいこんにゃくを作るコツは何ですか?」と聞かれると「いたわりの心よ」と即座に答える樋口朝子さんは、七十五年生きてきた今でも元気そのもの、そして、いつも薬師如来さまのような笑顔を絶やさない。笑顔そのものが会う人に元気を与えてくれている。
 北海道出身で、一九六三年、日本からのイグアスー移住地入植第一陣の一員として、夫の龍行さんと共にサントス丸でブエノス・アイレス経由、移住地に着いた。入植までこんにゃくそのものを知らなかったという。それが今では「樋口さんのばあちゃんこんにゃく」としてイグアスー名物となっている。
 作り始めて三十年になるが「今でも難しいよ。苛性ソーダの量とかき混ぜ加減がね。これは、文章や口では言いがたいので、やはり失敗の経験を積み重ねて、体で覚えることだね」と言う。こんにゃく芋は自分の畑で育てている。もちろん無農薬栽培だ。
 ジャムもヨーグルトも作る。すべて味は絶品だ。そして、欲しい人には誰にでもあげる。すべてタダで。身も心も元気で健康なおばあちゃんだ。