釣り大会で活性化=北パラナ農業振興会

1月15日(水)

 ロンドリーナにある北パラナ農業振興会は四百人の会員で構成されており、その約三割が日系。農業技師の五十嵐セイジさんは同振興会で開かれる各イベントの『幹事』を請け負っている。
―以前は月に一度ほど、会員同士が集まり、イベントと称して、サッカーやトランプに興じていたものの、会員の奥様方から不満がー。
 「私たちも参加できるものにして」。
 現在は友人の石川夫婦が経営する釣り堀で釣り大会を開いている。お昼にはシュラスコなどでわいわい。女性、子供も楽しめる、と大評判だ。
 「賞品なんかのため寄付に回ったりもしたけど、やっぱり皆が楽しいものをやらなきゃね」とビール片手にセイジさん。「奥さん怒らせたら、出られなくなるしね」と片目をつぶって見せる。
 話している間も通りかかる友人とのあいさつに忙しい。しかし、空いたグラスにはすぐ気がつき、ビールを注ぐところはさすが『幹事』である。
―日差しも弱まった午後五時、大会もほぼ終わり、順位を決めるため、魚の計量が始まるー
 「もう、行かなきゃ」と席を立ち、握手のため延ばした手は大地と格闘してきた男の手だ。そして、日焼けしたセイジさんは実に笑顔がよく似合ういい男なのであった。 まだまだ真っ青に晴れ上がるロンドリーナの空に、釣り上げた魚を計量するごとに上がる歓声や笑い声がこだましていた。