コラム 樹海

 独仏露中は反対の意向を表明してはいるが、米のイラク攻撃は早まりそうだ。政府高官は「もう時間が尽きる」と発言しているし、有力紙までが「攻撃は二月初中旬に前倒しになる」の見方を強めてもいる。ブッシュ大統領の強硬姿勢に変わりはないし国務省や国防省など政府全体が武力行使論で固まっている▼攻撃に向けた準備も着々と進んでいる。英は二万六千人の兵力を湾岸地域に増派し豪州も艦船の派遣を決めている。米軍もイラク周辺への空母や兵士の急派を急いでいるし、開戦はもう目の前と見ていい。このイラクがあるため北朝鮮への攻撃は回避されていると理解していいのではないか。日米韓の協議でも、北朝鮮の核兵器開発には平和的な解決を目指すことで一致している▼が、金正日総書記の凍土の国が「嘘つき国家」である事実を見落としてはなるまい。古くはラングーンや大幹航空機事件があるし日本には拉致という大事件が横たわっている。工作船の問題もあるし麻薬や偽札に始まって朝総連や朝銀もある。五人の拉致被害者は金総書記バッチを胸に帰国することができたけれども、横田めぐみさんら八人は死亡という疑惑だらけの報告書があっただけなのもおかしい▼墓は洪水で流失とかで遺骨もないとは不思議としか言いようがない。困ったのはそんな国に人道的な支援とかで百万トンもの米を支援すべしの東大教授や政治家がいっぱいいることだ。そんな事よりも拉致はどうして呉れるんだと怒鳴るべきなのに─である。   (遯)

03/01/23