総領事公邸で能を観劇=文化人ら50人を招待

1月24日(金)

 赤阪清隆サンパウロ総領事は二十二日、市内モルンビー区の公邸にブラジルの芸能・文化関係者ら五十人を招き、能の夕べを開いた。来伯中の能楽団体・加賀宝生が、世阿弥作『羽衣』の一部を披露。招待客は夏の夜のひととき、幽玄美の神髄に酔いしれた。
 公演を前にあいさつした赤阪総領事は「鑑賞後はぜひ、能や日本文化について意見交換してもらいたい」などと、ブラジルを代表する文化人に期待を寄せた。
 続き、『ハゴロモ・デ・ゼアミ』の著者で詩人のアロルド・デ・カンポスさんが作品の概要を解説。金の屏風が立てられた公邸内サロンで、重厚な芸風と称される宝生流の能の世界をじっくりと観劇した。 
 招待客の中には舞台演出家アンツネス・フィリョさんや、画家大竹富江さんといった多彩な顔触れが見受けられた。
 ポルトアレグレ公演を終えた加賀宝生の一行はこの日、サンパウロ入り。午後から、国際交流基金サンパウロ日本文化センターと、静岡県人会でワークショップを開くなど精力的にスケジュールをこなした。昨夜二十三日のサンパウロ公演(SESCコンソラソン、アンシェッタ劇場)の入場券は早い段階から売れ切れに。十月の文楽公演に続く日本の古典芸能に対する関心の高さをうかがわせた。