文協改革委各意見まとめる=下=文協は日系社会の中心=正当性を拡大せよ

1月25日(土)

五、その他、文協が果たすべき重要な役割は、ブラジル日系コミュニティーの主要団体として、またコミュニティーの政治的代表としての立場から生じたものである。
 すなわちコミュニティー内で日本文化の保持や普及、さらに保険医療や社会事業の分野で活動するその他の日系団体の支援と協力である。
 その立場に相応しい役割を果たすにあたり、ブラジル日系コミュニティーに存在する病院や社会福祉団体、あるいは文化団体のニーズを満たし、それら団体の事業計画、拡張や近代化の立案を援助するに止まらず、さらにはそれら事業の実施、あるいは団体の資金調達により実質的、恒久的な支援を行う事が文協には出来るはずである。
六、コミュニティーの中心的存在として文協に課せられる使命は、日系コミュニティーの現在のみならず、未来についての構想をめぐらすことである。
 コミュニティー内には幾多の団体が存在し、その中には相当な財を有するものもあるが、それら団体を共に現在実施中の事業や将来についての評価を行い、日本文化の保持と継承、社会福祉や保険医療、その他の社会的事業を展開するに当たって、現在観察される分散状態に取って代わるべきで、よりダイナミックで集合的に活動でき、より有効な成果がもたらされる連携状態を生じさせる可能性を検討すべきである。
5 文協改革に際して講じられるべき対策
 新しい文化協会の主要目的が定まった時、踏み出すべき第一歩は、上記の役割を実施するための代表機関としての正当性を拡大することである。
 日系社会の代表機関としての正当性を裏付けするには、幾多の対策を要するが、以下の様なものが挙げられる。
 一、文協の会員を増やす事。
 いわゆる日系コミュニティーと呼ばれる共同体の中から、代表的な分野ならび異なった年齢層を代表する人々の参画も募るべく、二世、三世、四世を説得する。
 当然のことながら、一世からも多大な貢献が期待できるから一世を除外すべきでなく、また他民族出身で日本文化に好意的な人々にも働きかけを行う。
 二、新規の理事会選出。
 文協に期待される新しい目的とチャレンジを正確に把握し、主要団体としての新しい役割を実行に移すという課題にコミットし、意欲と使命感に燃える人員で構成される理事たちを選出する必要がある。
 三、文協の事業計画。
 文協の各役割を念頭に置いた活動計画を立案する。
 四、プロフェッショナルな運営。
 文化協会としての機能が充分に発揮できる事業経営が望まれる。
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 以上がブラジル日本文化協会改革準備委員会がメンバー同士で討議や意見交換を行い、関係団体、さらに文化協会の行方や日系コミュニティーの将来に関心を寄せる人々の意見を聞き。検討した結果、到達した結論である。
 本委員会は、今後も関係団体ならびに様々な分野の代表から意見を募り、新しいブラジル日本文化協会が日系コミュニティー内での大幅な意見交換の成果をして再生し、その役割を正当な代表性に裏付けられて充分に果たすことができるように期待するものである。