コラム オーリャ!

 見渡す限りの、テント。今週終了した「世界社会フォーラム」の参加者のためにキャンプ場として提供された、ポルト・アレグレ市の公園だ。野宿者、その数一万人以上。トイレは仮設、シャワーは青空の下、炊飯は飯盒で。ギターの音色が聞こえ、場所によってはマリファナの匂いが漂っていた。良い環境とは決して言えない。しかし、密集したテントの海の中にいると、なんとなく一体感があって妙に心地よい。
一方、肝心の会場では、セミナー等に人影まばら、という光景も多かった。ほとんどイベントに出ない野宿者もかなりいたのだろう。キャンプが「心地良すぎた」のかも、と思う。
 来年の開催はインド。テントと寝袋を持ち、「野宿」を目的に飛行機に乗る人が、きっといる。(文)

03/01/31