涙があった懇親会=NKKウイング社、親身に開催

2月4日(火)

川崎市にある工場で多数の日系ブラジル人を雇用しているNKKウイング株式会社が、「留守家族との懇親会」を二月一日と二日の両日、ニッケイ・パラセ・ホテルで開催した。
招待されたのは、社員の家族と帰伯したOB。飛び入り参加も含め、一日目は約百二十人、二日目は約百五人の参加者でにぎわった。 司会は、日系人ながら人事部で正社員として働いている国吉真一さん。日本から来伯していた保田博通取締役が挨拶した。「私は、出稼ぎという言葉は使わない。たまたま就職先が日本だっただけだから、できれば家族一緒に日本に来て欲しい」と社の方針を説明した。続けて、「単身で来る人が多くなったので、その家族が心配になった」と、懇親会を企画した理由を話した。
同じく日系人を雇用してリサイクル事業を進めているエヌケー環境株式会社の篠原正典マネージャーも挨拶に立ち、「社員と酒を飲みに行くと、サンパウロのことを自慢する人が多い。その街をこの目で見て、皆さんと話したかった」と参加者に語りかけた。
会場では工場や社員寮、イベントなどの様子を紹介するビデオが上映され、家族が真剣な面持ちで見入っていた。また、別会場ではテレビ電話を通して、社員と家族の通信も実現した。パソコンの画面を通して最愛の人と対面した家族の中には、涙を流す人や画面から離れられない人も多かった。
一日目は、国外就労者情報援護センターから田中昭彦専任理事とリカルド・ササキ弁護士が、在サンパウロ総領事館から上田達生副領事が訪れた。
 食事を終えた参加者はNKK社から記念品を受け取り、握手をして感謝の言葉を述べ、会場を後にしていた。