特養老人施設「あけぼのホーム」完成=収容能力は52人=来年3月までに満床へ=JICA、2億5千万円助成

2月13日(木)

 サンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)が国際協力事業団(JICA)の助成を得て九八年より五ケ年計画で建設工事を進めてきた特別養護老人施設あけぼのホーム(竹村英朗ホーム長)が完成、総合落成式が十一日午前十時から、グァルーリョス市の施設で開かれた。関係者ら約百三十人が出席、門出を祝った。収容人数はこれで五十二人となり、〇四年三月いっぱいまでに、入居者五十人、デイサービス利用者二人を受け入れる予定。
 あけぼのホームの建設は、橋本龍太郎元首相が九六年に来伯、日系五団体と懇談したおり、特別養護老人ホーム創設資金を助成してほしいと要望が出され、実現したもの。
 JICAが総額二億五千万円を助成、ブラジル竹中工務店(清水邦保社長)が工事を請け負った。昨年九月からの第五期工事で、庭や駐車場の整備などが行われた。
 式では、祝福のベンソン後、正面玄関で和井会長ら六人がテープカット。続いて、和井会長、小松雹玄JICAサンパウロ支所長が顕彰プラッカを除幕した。
 あいさつに立った和井会長は、「日本民族が続く限り、高齢化対策が問題になる。まだまだ、百床、二百床の施設をつくりたい」と、援協の事業拡大に意欲を見せた。
 清水社長は、「日本政府からの入金の関係で、毎年、九月から二月の工程になり、雨との戦いだった。予定通り無事故、無災害で工事を終了、最後の引き渡しをすることができた」と、施設の完成を喜んだ。
 ホームの維持、運営について、竹村ホーム長が説明。開所日の晩、入居者がタンスの引き出しを便器にして用を達したことなど、介護の苦労を語った。
 小松支所長は、「皆さんの努力で立派な施設ができた。日々の生活は大変のようだが、シニア、青年ボランティアの派遣を通じ、今後も貢献していきたい」と、祝辞を述べた。
 このほか、佐藤宗一サンパウロ総領事館首席領事、岩崎秀雄ブラジル日本文化協会長、ジョゼ・カルロス・マルオカ・グァルーリョス市商工局長がはなむけの言葉を送った。
 最後に能楽「桜川」、祝い太鼓が披露され、式典に花を添えた。
 祝宴では、野村次郎第三副会長の音頭で乾杯、祝福を交わした。