地域団体活性化を考える=サンジョゼ・ドス・カンポス=第15回懇談会開く=文協青年部など150人参加=「時代読む重要性」強調

2月19日(水)

 第十五回地域団体活性化巡回懇談会が十六日午前八時半から、サンジョゼ・ドス・カンポスのオリオン・クラブ(ブラジル通り146番)で開かれた。約百五十人が参加した。サンパウロ文協からは青年部を中心とする約二十人が参加し、国外就労者情報援護センター(CIATE)や援護協会、ジャカレイやピンダモニャンガーバなど近隣の文協からも関係者が出席した。基調講演やグループ別による討論会が開かれた。

 同懇談会は日本ブラジル文化協会が国際協力事業団(JICA)の助成事業として実施しているもので、今回で十五回を数え、サ・ジョ・カンポスでの開催は三回目となる。
 サンパウロ文協の志村豊広副会長の開会のあいさつの後、国際協力事業団の小松雹玄サンパウロ支所長、汎パライーバ日系団体連合会の管野鉄夫会長、サ・ジョ・カンポス文協の渡辺トシヤス会長や小島リュウジ副市長がそれぞれあいさつした。   
 小松所長は「JICA活動の現在と将来」と題された基調講演の中で「以前赴任していた十五年前に比べ、日系社会は変わった」とした上でその理由を『情報化社会やデカセギなどによる価値観に加え、経済的低迷が日系社会のまとまりを無くしている』とした。
 その解決方法として魅力的なイベントなどを行う一方、「何故日本人会、文協などが出来たかを再点検し、時代と将来に沿っているかを問うことが大事」と締めくくった。
 サンパウロ青年文協委員会からは宮崎マウリシオ委員長、嶋尾マリオ、山内エリカ副会長が「集会の歴史」について、日系社会の低迷は『リーダーの不在、デカセギ問題、日本語教育の不徹底』などを挙げた。その問題と解決方法を発表し、女性が参加する重要性などについても触れた。
 九五年から始まった青年文協委員会の活動なども併せて報告した。
 アドニアス・アラウジオ経営コンサルタントが「団体活性化への技術について」データや図を使いながら説明。団体は衰退期が必ずあることを強調した後で『目的、理解、視野、活動』などを基にした団体活性化の方法論について持論を展開した。
 昼食の後は『デカセギ、リーダーの育成、文協、会館の目的、意義、集金、集客方法』などのテーマについて、グループ別討論会を開いた。
 二時間ほどの討論後、各グループの代表者が討論内容を発表した。
 宮崎マウリシオ青年文協委員長は「青年たちとも交流でき、非常に有意義だった。これに続いて、五月の青年活性化セミナーを盛り上げていきたい」と話していた。