ホーム | 日系社会ニュース | 東洋街=日本米なくなる!=端境期、不作、買い占めか

東洋街=日本米なくなる!=端境期、不作、買い占めか

2月21日(金)

 サンパウロ市リベルダーデかいわいからブラジル産の日本米が消えた。売られているのは値段が約五倍する日本産とカリフォルニア産の輸入米ばかり。なぜ消えたのか、東洋街の巷間でいろいろと取りざたされている。最も自然な理由は、今は端境期だというもの。ブラジルの実りの秋、四月、五月になれば南伯産あるいはパラグアイ産の早稲(わせ)の出荷が始まる。
 二つ目の理由は、今期は日本米が不作であったというもの。生産者、精米業者の倉庫の米が払底した。一つ目と二つ目の理由は、米を原料に酒を作る業者の情報とも一致しており、ある程度信ぴょう性はある。
 うがった見方でまことしやかにささやかれているものは、業者による買い占め説。リベルダーデに短米、水田米、日本米が無くなったころを見計らって倍の値段で販売しようと計画している悪徳業者がいるようだ。 日本食品店で最もよく売れているM店の店員は、「最近は外人(ブラジル人)が日本米を食べるようになりましたから」と、日本食ブームによる影響説を披露する。すし、刺し身がポルトガル語になっている現在、この説も真実味を帯びる。
 不作だったという二つ目の説に関連して、日本米が退化して外米同ようにまずい米になってしまったという説も流れている。米は周知のように風によって花粉が運ばれ、受粉、結実する。風媒花と呼ばれ、ハチなどによって花粉が運ばれ実を結ぶ虫媒花と異なる。日本米を作っている所では、必ずといっていいほど周りでは外米、陸稲も生産している。水田の周囲から中心部に向かって、おいしい日本米が外米の花粉に侵され劣化する。「カリフォルニア米よりうまかったG米も、今はまずい」と先に大耳小耳で報じた。理由は風だったのだ。
 【家庭の主婦豆知識】
 まずい長米、陸稲をうまく食べる方法は、「蜂蜜を数滴混ぜて炊く」、「米ぬか油を数滴入れて炊く」などが知られている。米ぬか油は英語でライス・オイル、ブラジル語でオーレオ・デ・アロイスと呼ばれ、食料品店で売っている。昔からコロニアに伝わるものでは、まずい米に一〇%ほどもち米を交ぜる方法がある。くずのもち米でもかまわない。香り、味共によくなる。

image_print