ブラジルに普及する書道―若松さん連続2回入賞

3月18日(火)

 若松孝司ブラジル書道愛好会会長が昨年に続いて今年も、第二十二回日本刻字展で最高の毎日新聞賞に輝いた。これで若松さんは同展に出品しさえすれば、必ず展示される権利を得たことになる。茨城書道会の会員のマーリオ・ルッソ・ジュニオールさんも同刻字展で佳作に入った。〃書の甲子園〃国際高校生選抜書展の海外部門ではケイ・フジワラさんが準大賞に入賞した。日本人、非日系人、若い世代が入賞したことで、書が確実にブラジルに普及、浸透していることが証明された。
 若松会長は今年、FE(信奉)と刻んだ。Fは大木で権威を象徴した。Eは頭を下げ、ひれ伏しているヒトを表す。イラクの人々を想起させる。彫られたFとEは青金の金箔を張った。セドロ・ローザという種類の木を使った。板の下部は黒墨、上部は赤墨を塗った。若松会長は、「刻字に適する木を探していた。ブラジルでは刻字にはセドロ・ローザがいいようだ。木目はよくないが、割れない、色がよく乗る、重くないということで使いました」と説明した。若松会長は、先に栃木県で開かれた刻字展でも特別賞を受賞している。
 第二十二回日本刻字展は七日から十二日まで、東京上野公園にある東京都美術館で開かれた。
 同展で佳作に選ばれたマーリオさんは『IMAGEN(想像)』と書いた。
 第十一回国際高校生選抜書展で準大賞に入ったケイさんはコレジオ・サンタクルスの三年生。ブラジル書道愛好会が〃書の甲子園〃に派遣した。同展は二月二日、大阪市立美術館で開かれた。