便秘が万病のもとー中田さん講演―骨盤のずれが原因

3月25日(火)

 東洋医学振興会主催の「腰痛の科学 骨盤のずれから生じる派生病」が鍼灸の日の二十三日午後二時から、サンパウロ市リベルダーデ区の文協小講堂で開かれた。整体士の中田定和さんが博士号を取得したのを記念して企画された。CBA聡伯総合医療学院の後援。ニッケイ、サンパウロ新聞が協賛した。中田さんは骨盤が正常に位置していれば、腰痛や便秘は起こらないと強調。聴講者から一人を選び出し、「すねの高さが十三センチずれていますね。おなかにガスがたまるでしょう」と、診察を実演してみせた。
 会場には約二百五十人が詰め掛けた。サリンクリアッチ・ジュニア市議などの来賓も姿を見せた。
 中田さんは、「風邪は万病のもとと言われるが、本当は便秘が万病のもと」と、話を切り出した。骨盤のずれが、原因だと結論付けた。
 骨盤がずれることによって生じる病気として便秘とおなら▽肩凝りと不眠症▽膝関節痛とエスポロン(骨盤が傾いていることによって踵に重力がかかり、骨や筋肉が変形、骨の表面に隆起が生じる)▽椎間板ヘルニア▽座骨神経痛▽腰痛とぎっくり腰を挙げた。
 来診者のうちほとんどは、腰痛を訴える。転倒した際に衝撃で骨盤が数センチずれることがある。
 そのまま放置すれば五年、十年と経つうちに、ずれが大きくなり、十センチに達すと痛みを伴うようになる。 仰向けに寝かせ、両足を畳み、すねの高さを比べてずれを測定する。「どういう訳か、いつも右足があがっている」。
 つまり左足に重心がかかっているということだ。「理由はまだ解明されておらず、今後の研究課題」と位置付けた。
 治療は右の踵を骨盤に押し込み、左右の長さのバランスを取る。「オス、オス」と掛け声を掛けながら仕事ぶりを披露、「結構、力仕事なんですよ」と、語っていた。
 一回だけの治療では、歩行すればすぐに元に戻ってしまうので、固定するまで治療を続けることが必要だ。
 この日は整理券を二十枚配布、それを所持した来場者に無料診察を実施した。