ポ語講座、通訳、ブラジル文化紹介=日本で仕事がいっぱい=JET、ブラジルから5人

3月27日(木)

 第十七期JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)のブラジルからの参加者が先日決定した。今年度はブラジル全体で五人、サンパウロ総領事館管内から三人が訪日して、地方自治体の国際交流員として活動する。
 同プログラムは、日本の総務省や外務省、文部科学省、自治体国際化協会が一九八七年から実施している事業。世界各国の青年が、日本の地方自治体で、外国語指導助手、行政部門の国際交流業務にあたる。今年度は世界三十八カ国から六千二百七十三人が参加する。
 今年サンパウロから訪日するのはネリー・フジコ・オバラさん、ティナ・ヒラカワさん、リナ・ハルミ・シミズさんの三人。
 オバラさんの派遣先は石川県の県国際交流協会。地元の学校でのブラジル文化紹介や市民へのポルトガル語講座、通訳や翻訳などの業務にあたる。これまでにも研修などで訪日したほか、浜松市の非常勤職員を勤めたこともある。「石川県は伝統のあるところ。ブラジルの文化を広めながら、日本のことをもっと学びたい」と期待を語る。
 シミズさんは岐阜県の県国際交流センターで国際交流員を務める。県内に住むブラジル人の生活相談や通訳、翻訳などにあたる。レジストロ市で建築事務所を営むシミズさん。仕事以外での抱負をたずねると、「お寺や古い建物など、日本の建築についても勉強したい」との答えが返ってきた。
 ヒラカワさんは、ビリチバ・ミリン市で日本語を教えている。最近になって、帰伯したデカセギ子弟が日語学校に通うようになった。ブラジルの学校に溶け込めない子供もいる。ヒラカワさんは「子供たちが日本でどんな生活をしているのか、実情を見てみたかった」と、応募のきっかけを語る。ヒラカワさんは長野県明料町の教育委員会で、地元の学校での指導や出稼ぎ外国人の相談などにあたる。
 三人は四月上旬、日本に向けて出発する。