ブラジルで 90年歩んだ讃岐の人たち=真鍋知事ら迎えて祝う

6月3日(火)

 讃岐の国からブラジルへ、九十年のあゆみ――。香川県人ブラジル移住九十周年記念式典が一日、南米香川県人会館(ミランドポリス区イタイプー街)であった。式典には式典委員長(県人会会長)の蓮井清朗氏、母県・香川県知事の真鍋武紀氏をはじめ約二百人が出席、ブラジルにおける香川県人の功績を盛大に祝った。
 香川県初の移民は一九一三年、帝国丸で来伯した六家族二十八人。以後、習慣や風土、気候が全く異なるブラジルで今日の県人会基盤を築いてきた。
 式典は、式典副委員長の小野良樹氏の開会の辞で開幕。来賓として真鍋氏、県議会議長代理・県議会南米親善議員連盟会長の綾田福雄氏、在サンパウロ日本国総領事の赤阪清隆氏、ブラジル日本都道府県会会長の中沢宏一氏、元ブラジル国下院議員の野村丈吾氏らが紹介された。また、アルゼンチンやパラグアイの各県人会からの祝電も披露された。
 祝典あいさつで蓮井氏は「二〇〇八年は百周年を迎える。日系移民百四十万人のなか、主力は一世から二世へと移行している。一世の日本人の良き心を後世に残したい」とした。続いて真鍋氏が「遠く香川からみなさんの活躍を願っている。県人同士、思いやる気持ちを持ち続けたい」と祝辞を述べたほか、(一)高速道路開通(二)市町村合併(三)讃岐うどんブーム(四)香川県南米移民史編さん――など近年の母県の動向を報告した。
 若者代表として二〇〇一年の同県研修生、小島渚さんは「一九七二年から、七十七人が香川県で学び、様ざまな分野で活躍している。お互いの親睦を交えていきたい」と抱負を語った。同日午後からは祝賀会があり、木下節生太鼓教室の演奏や池芝緑苑氏による舞踊などで盛大に幕を閉じた。