パラナの移民祭に400人=池田大使、青山総領事ら出席=ローランジャ慰霊碑前=笠戸丸移民生存者も焼香

6月17日(火)

 パラナ日伯文化連合会(嶋田巧会長)、パラナ文化運動連盟(西森弘志理事長)は、移民九十五周年式典を催した。式典は十五日、パラナ州ローランジア市農業センター、移民資料館を会場に、パラナ先没者慰霊祭、表彰式、懇親会などが行われた。午後二時半に開始し、会が終わる五時半まで約四百人の参加者が詰めかけた。式典後には、同連合会、同連盟、ロンドリーナ文化体育協会(鈴木勇理事長)共催で、同協会講堂に会場を移し、大使夫妻歓迎祝賀会も行われた。

 晴天のもと、沖縄桜が茜色の花を咲かせていた。かつては、コーヒー農園として栄えたローランジアに、多くの日系人が集った。
 午後二時ごろに、池田維日本国特命全権大使、美紀子夫人、青山鑛一在クリチーバ日本国総領事、明子夫人が車で到着。大勢の参加者が両国国旗を振りながら四人を出迎えた。来賓はその他、第一回笠戸丸移民中川トミさん、エウリーデス・モウラ・ローランジア市市長、上野アントニオ元下院議員など。
 同慰霊祭は、慰霊碑の前で行われた。会は、池田大使夫妻、青山総領事夫妻の献花で始まった。途中追悼の辞で、各来賓があいさつ。青山総領事は「一九〇八年六月十八日は、日本人のブラジル移民の原点として忘れられてはならない日です。現在の日系社会は諸先輩方の血のにじむような努力によって、ブラジルにおいて高い地位を保っております。日本人独特の勤勉さを生かし、今後ともブラジル社会に貢献することを期待しております」と、あいさつした。最後にロンドリーナ西本願寺中山哲也さんが読経するなか、参加者の焼香が行われた。中川トミさんが焼香する際には、大使夫妻や総領事夫妻が手助けする場面もあった。
 同慰霊祭後、来賓は移民資料館を見学。大使は「移民資料館を見学すると、日本人がいかに教育を重要視したかが覗われる。ヨーロッパで町の中心に教会が作られるように、日系社会は日本語学校を作ってきた。このような高い教育熱によって、日系社会はブラジルに貢献してきたのだろう」と、感想を語った。
 午後三時十五分から、農業センター講堂に会場を移し、表彰式が行われた。表彰式では、全国幼少年作品コンクール、全伯親善ゲートボール大会などの表彰が行われた。その後続いた懇親会は、「マリンガわかだいこ」などの演奏もあり、参加者は太鼓の大きな音に聞き入っていた。
 午後七時半から、歓迎祝賀会が行われた。席上、大使、嶋田会長、高山秀和下院議員などが挨拶。会は食事を楽しんだ後、午後九時半に、盛大な拍手で閉会した。