「冬は心筋梗塞脳卒中に注意」=厚着が肝要と森口医博

6月17日(火)

 本紙二面で既報のように、寒さの訪れとともに中高齢者の循環器系障害が急増することから、南伯地方居住者はこの時期、体温・体調への配慮が肝要だ。とくに五十代以上の人たちでは、心筋梗塞や脳卒中などによる死亡率がきわめて高くなるという。
 高齢者の生活習慣病に長年取り組んでいるポルト・アレグレ市のリオ・グランデ・ド・スル・カトリック大学老年医学研究所所長で同大学大学院教授の森口幸雄医博は、「日系人も肉食中心になりがちな食生活だけに、気をつけたい季節」と注意心を喚起する。森口教授がこれまでにまとめたデータでも、五十代以降の男女の脳卒中、心筋梗塞による死亡率は四十代以下の世代の二~三倍に上昇している。
 「冬場にこの病気が多発するのは、五十歳を過ぎると血管は寒さで急に収縮し血液も凝固するため。塩分や動物性脂肪を過剰に摂取しがちなブラジルの食習慣にそまると、この傾向はいっそう強まり不幸なケースを招く」と森口教授は指摘。寒い時期は痩せ我慢などせずに、厚着をするようすすめている。