コラム 樹海

 「天皇」も「自衛隊」をも容認いたします。党を創立してから一貫して「天皇制の廃止」を唱えてきた共産党が、党の綱領を改正して新しく生まれ変わろうとしている。尤も、そこはさすがに共産党と言うべくか。「存廃は将来、国民の総意によって解決されるべきものだ」の一項を加えるのを忘れない▼自衛隊にしても「国民の合意で解消に向かって前進を図る」とあるから、基本的な姿勢は変わっていない。改革路線なのだそうだが、渋谷は代々木(共産党本部)の精神は万古不易と見える。この政党の権力闘争は有名すぎるほどに有名だ。最高権力者である党議長の野坂参三氏を除名処分にし、議長の肩書をも奪う物凄さ。追放も枚挙に暇がない▼そんな共産党のナンバー3の筆坂秀世参議員がこともあろうに「セクハラ」で議員を辞職した。日本語に訳すと「性的な嫌がらせ」となるらしいから猥褻的な人物らしい。被害者の訴えで党は知ったそうながら、場所や日時などの具体的な言動についても市田忠義書記局長は「許し難い」の一辺倒で終わり。詳しい説明は一切なし▼筆坂氏は共産党の「顔」であり「論客」として知られる。国会審議での政府追及の舌鋒は鋭く厳しい。そんな口舌の徒なのに謝罪会見も欠席。直接的な弁明一つもない。自民党は勿論のこと野党陣営からも非難の声が出ているのは当然すぎるし筋と言える。政府や敵対する勢力に対しては重箱の隅をもほじくるのに、自分のこととなると覆い隠す心根ではーとてものほどに天下は取れませんな。 (遯)

03/06/26