日系被告人が陳述=アルゼンチン人学生=殺人未遂事件裁判

6月27日(金)

 【既報関連】モジ・ダス・クルーゼス市で昨年十月十日未明、日系人らがアルゼンチン人学生とその弟に暴行を加え、学生が二十日間以上にわたって昏睡状態に陥るという殺人未遂事件が発生した。今月十三日から、モジ裁判所で同件に関する被告人陳述が始まった。ジアーリオ・デ・モジ・オンラインなどが報じた。
 殺人未遂の罪に問われているのは、トシオ・キタハラ・ジュニオール、ファビアーノ・タキシ・アイハラ・ゴトウ、アンドレー・グスタヴォ・ジアス・カンポス、セーザル・アコスタ・ガルシア、エンリケ・ポンテス、イルトン・サダオ・コンドウの六被告。被害に合ったのはアルゼンチン人学生、ロドリゴ・パゾさん(二六)と弟のマシミリアーノ・パゾさん(二四)。
 モジ署によると、昨年十月十日午前三時過ぎ、同市ヴィラ・ノヴァ・モジラール区のボアッチでマシミリアーノさんの恋人をめぐり、ファビアーノ被告とマシミリアーノさんが殴り合いになった。ロドリゴさんは弟を助けようと加勢、ファビアーノ被告は友人のトシオ、アンドレー、セーザル、エンリッケ、イルトンの五被告を加えて乱闘騒ぎとなった。
 乱闘は警備員の仲裁により一時収まったが、同五時過ぎ、兄弟がボアッチから帰ろうと車まで行く途中、ファビアーノ、エンリッケ、イルトンの三被告が現れ、「兄弟の一人がグループをばかにした」として再び喧嘩が始まった。
 ボアッチの警備員の供述によると、グループはボアッチの駐車場でマシミリアーノさんに暴行、警備員の制止後、グループはモジ・ショッピング方面に逃げたロドリゴさんを追跡。しばらく後、顔と頭に多数の傷を負って気絶しているロドリゴさんが発見された。この時の傷で、ロドリゴさんは二十日間以上の昏睡状態に。学生生活に復帰した現在も、傷の治療と精神療法を受けている。
 昨年十二月十三日、六被告の未決拘留が決定したが、それ以前に六被告は姿を消していた。今年五月五日、サンパウロ裁判所が人身保護令状により、六被告が法廷で自由に陳述することを許可した後、モジ市に現れた。六被告は今後一年間かけて裁かれるらしい。
 パゾさん側の弁護士は、「被告人陳述によって、被告らがたった二人の無防備な若者に過激な暴力を奮った理由を説明してもらいたい」と述べている。ロドリゴさんの母、オルガ・アイーダ・サウヴァトーレさんは、六被告の自由権について、「私の息子だけではなく、社会全体への脅迫のようなもの」と語った。