俳優・竹本孝之の連載エッセイ-第9回-日系子女の声求めて来伯

2003年7月15日(火)

俳優・竹本孝之 『NHK中学生日記』矢場先生役の竹本孝之です。今私は、ブラジル・サンパウロ行きの飛行機の中でこの文章を書いております。近くなったとはいえ二十四時間。私の住む日本から見れば、地球の真反対にあたるブラジルの地に私は漸く行く事が出来ます。
 私はこの紙面でコラムを書くようになってから、益々日系ブラジル人の方々が気に掛かる様になりました。
 私と同じ血の流れを持つ方が居るやも知れない…。そう思うと何だかとても近しい感覚になるのです。
 今回、ブラジルロケが決まり先行して、愛知県に在る保見中学校に行ってきました。そこで中学校生活を送る日系三世、四世の子供達に出会いました。言葉の問題自分の将来に対する不安等の彼達が抱える悩みを聞かされました。日本の地でそしてブラジルの地で生きる日系ブラジル人の子供達。若年令で人生の選択を迫られた日系ブラジル人の声を、今度は日本の子供達に伝えられれば……と、考えております。

二〇〇三年七月十三日
機中にて