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「環境」が高知・ブラジルつなぐ―50周年式典―橋本知事手ごたえ

7月29日(火)

 今後は「心の交流」にも一役買いたい―。二十七日サンパウロ市ブラジル北海道交流センターで開かれたブラジル高知県人会創立五十周年記念式典に出席した高知県の橋本大二郎知事はそのあいさつで、「昔の同級生と文通してみたいという婦人に先日会った」との話を例に挙げ、「県としては文通の手助けなど、心の面でも手を差し伸べることができるはず」などと、今後の県人交流への抱負を語った。
 滞在中に県人が経営する農場や花卉のハウス栽培現場を視察した際、植樹の機会を得た知事はまた、「腰を曲げながら、『昔ずいぶん木を切って開拓したから』と植林に励む(県出身の)移住者の姿を見て心打たれた。県では四月から森林環境税を設けたばかり。今後は植林など環境対策が高知とブラジルをつなぐテーマになるだろう」と述べ、三回目の訪問に手ごたえを感じている様子だった。
 式典には知事のほか、日本から、溝渕建夫県議会議長、森田康生土佐市長、岩井寿夫高知新聞社社長ら三十七人が臨席。パラグアイ、アルゼンチンの県人会会長も駆けつけた。
 ブラジル来賓として、式典名誉総裁の野村丈吾元下議、県人子弟でパラナ州マテランジャ市の武市昌夫市長、同じくサンパウロ州スザノ市の森和弘副市長らが祝辞を寄せた。
 県人会の高橋一水会長は「ブラジル移住は県人の水野竜によって幕を開けた。コチア農業組合の下元健吉、南伯農業組合の中沢源一郎などコロニアのリーダーはいずれも高知県出身」とあいさつし、会場を埋めた多くの出席者を前に県人持ち前のいごっそ(頑固者)気質を誇っていた。

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