10月末から被爆者健康診断=在伯協会、譲歩の形

8月6日(水)

 【既報関連】平成十五年度在南米被爆者健康診断が十月末から十一月上旬にかけての二週間(予定)、サンパウロ市をはじめとする国内四カ所で実施される。国の補助を得て広島県、長崎県が行うもの。医師や事務方など六人が派遣される。
 在ブラジル原爆被爆者協会(森田隆会長)は、治療を伴わない健診は被爆者の救済につながらないと、国の施策に難色を示してきた。被爆者協会側が譲歩する形になった。
 被爆者健診の場所は従来、サンパウロとリオデジャネイロの二都市だった。被爆者の高齢化が進んでいるという事情を踏まえ、医師団は二班に分かれてクリチーバ市、マリリア市にも向かう。
 在ブラジル被爆者裁判で係争中の森田会長は「被告である国や県にそっぽを向いてばかりいても、話は進展しない。理事会での決議で、健診を受けることにした」と話している。
 県庁職員が来伯することから、被爆者協会は在外公館で被爆者手帳の申請が可能となるよう、国に申し入れていたという。