異例の多数が惜別=赤阪サンパウロ総領事=送別会

8月8日(金)

 「最大の収穫は世界最大の日系社会のみなさまと知り会えたこと」。六日夜文協で開かれた送別会の席で赤阪清隆サンパウロ総領事はそう語り、明後日に迫った帰国を前に別れを惜しんだ。会には日系二十五団体から約二百三十人が出席。文協貴賓室を一杯に埋めるなど、この種の会としては異例の盛況ぶりだった。
 赤阪総領事はまたあいさつのなかで、美智子妃殿下や上塚周平が詠んだ移民歌を引用。「二年に満たない任期だった」としながらも、コロニアへの関心が常に高かったことを印象付けた。一方、赴任中の成果として出張領事館、窓口業務の改善などを挙げていた。
 出席者を代表して送別の辞を述べた上原幸啓文協会長は「会うは別れの始まりというが、いざ直面すると寂しいもの」としたうえで、「開かれた総領事館を標榜し、近寄り難いというイメージを覆してくれた」とその功績を称えた。
 赤阪総領事には日系団体から記念品として、画家沖中正男氏(故人)が五八年サルバドールで描いた油絵(八号)が贈られた。