〝安全食〟でない日本食―含まれる塩分がこわいー伯字紙、ブームに警告―「本当のこと知りたい」=若い日系人

8月15日(金)

 【既報関連】味噌汁、漬物、蒲鉾…。そして、醤油や味噌。日本料理には塩分を含んでいる食品や調味料が多い。日本人移住者の大部分は、ブラジル渡航後、農業に携わり肉体労働をこなした。塩分を取り過ぎても、汗ととともに排出していたので、健康への害は少なかった。だが、世代交代とともに、日系人の生活様式も変わり、かつてのような食事を取ると高血圧を引き起こす場合もある。塩分の摂取過多にならないよう注意することが必要だ。 
 日本食ブームが過熱する中、伯字紙が七月末、醤油を取り上げ、健康食と言われる日本料理に疑問を投げかけた。サンパウロ州心臓病学会の科学会議でも議題に上った。
 このような動きを本紙七月三十日付け紙面で紹介した。「日本人の子孫である私たちは、塩分の多い日本食について、知る必要がある」と読者より問い合わせが入った。
 そこで、援協診療所の矢島カルロス所長に減塩食について聞いた。
 一般の人は一日に約八~十グラムの食塩を摂取している。小さじ一杯の醤油には食塩が一グラム含まれる。大さじ一杯の味噌で二グラム。塩分の強い食品は漬物、梅干し、塩辛、蒲鉾、竹輪、ベーコン、ソーセージなどだ。
 矢島所長は「減塩を始めると、何もかも薄味にしてしまい、どれも不味くて食べられないということになりがち。急に薄味にするのではなく、徐々に薄くしていくよう心掛けたらよい」とアドバイスを送る。
 食事指導の要点は次の通り。
 ①材料が新鮮であれば、その持ち味を生かすことも可能。薄味料理のアクセントに、レモン汁、酢、玉葱、ニンニク、胡麻、海苔、紫蘇の葉など香りや風味のあるものを使い、酢の物やサラダに活用する。
 ②味噌汁は一日一杯とし、中身をたっぷり入れて汁は少なめに。
 ③揚げ物、フライパン焼きや網焼きの焦げ味も、美味しく食べられる味付けの一つ。
 ④昆布、鰹節や椎茸などを組み合わせて出し汁をとれば塩味が薄くてもこくがでて材料の味が引き立つ。
 ⑤塩、醤油、味噌などの調味料は計って使う。