MASP=故大原さんの写真展示=北パラナ農村撮した30枚

8月22日(金)

 きょうからサンパウロ美術館(MASP)で一般公開される写真の『ピレーリ・コレクション』展に、開拓者の一人として北パラナを耕しながらその農村風景をカメラに収め続けた大原春雄さん(一九〇九―一九九九)の作品三十点が飾られている。
 今年で十二回目を迎える同展には十六人・六十四点の作品が並ぶ。毎年、批評家、大学教授らが選考に当たり、ブラジル在住の写真家にとって選ばれることは最大の栄誉のひとつだ。そんななかで大原さんには特別展示室が与えられた。
 神戸市の生まれ。一九二七年に移民し、当時売り出されたばかりの北パラナ・ロンドリーナに先駆者として入植。カフェ栽培の傍ら、農村地域の日常風景をローライフレックスで撮り始めた。一九五〇年代からは市の写真クラブに参加しブラジル国内だけでなくスペイン、フランスなど海外の写真展に出品するなど昔から地元関係者の間で知られた存在だった。
 同市に本社を置くパラナ新聞の岩継道広さん(七四)は「大原さんは北パラナの開拓者の先駆け。日系コロニアにとっても貴重な記録が多い」と話す。
 九九年八月に亡くなるまで、撮りためた写真は約一万三千枚にもなるそうで、『ラヴラドール・デ・イマージェンスーウマ・ビオグラフィア・デ・ハルオ・オハラ』と題した写真集も先日刊行されている。
 十月十二日まで。火曜日から日曜日、午前十一時から午後六時。入場料一般十レアル。