70年昔のこと、記憶は?=曽根さんら近く「来伯陸上選手団」を調査に

8月23日(土)

 一九三三年、日本移民二十五周年を記念して来伯した、日本の陸上競技選手団六人について調査したい、という調査団の一行が、来る九月九日ころ着聖する。当時、選手団となんらかの接触があった人たち、記憶のある人たちの話を聴きたいと望んでいる。
 調査者は、曾根幹子さん(現、広島市立大学助教授、七六年モントリオール五輪、走り高跳び出場)。選手団の一人、朝隈善郎さんの教え子のあたるという。
 六人の選手は――福井行雄(団長、障害走)、住吉耕作(やり投げ、走り高跳び)、大島謙吉(百メートル)、藤枝昭英(八百メートル、千五百メートル)、大江季雄(棒高跳び)、朝隈善郎(走り高跳び、走り高跳び)。一行は、ペルー、チリ、アルゼンチンを経由三三年九月二日着伯、サントス、サンパウロ、カンピーナス、リオ、リベイロン・プレト、グアタパラを訪問している。
 九月十六日、朝隈、住吉選手を囲む「広島県人のつどい」が、サンパウロ市富田屋で開催された。また、バストス移住地から、朝隈選手にぜひコーチを依頼したい、などといった要請が行われた。同選手がバストスに行ったか否かは不明。
 調査者の曾根さんたちは「(日系社会で)当時、家族に連れられて大会に行った、とか、練習を見たとか、接待の場にいたとか、親から話をきいたことがある、という人たちと会いたい」と希望。さらに、当時のブラジルの一般社会にどう受け止められたか、かも知りたい、としている。記憶のある人たちとの懇談は、九月十日、文協ビル内移民史料館を予定。