「日伯交流盛上げたい」=前向き思考の西森州議

8月29日(金)

 今月五日からパラナ州議に繰上げ就任した西森弘志ルイス氏が来社、同州唯一の州議としての意気込みなどを語った。
 現職のパラナ文化運動連盟理事長。昨年総選挙でPP(進歩党)から出馬し、初出馬ながら約三万票を獲得と健闘したが次点に甘んじていた。今回の就任は、病気療養を理由に休職する議員の後任人事で巡って来た。
 「議会は二月に始まったばかり。まだまだこれから」
 西森氏は活躍の余地は十分にあるとみている。出遅れていないとの自負は強い。「就任のとき議会の特別なはからいで演説させてもらった。他議員と一緒に当選していたらここまでアピールできなかった」とあくまで前向きだ。
 来年は全国市長選挙を控える。連立を組む政党に所属する複数の州議が市長選に出馬し当選を果たす可能性が高いという。「恐らく暫定的な就任ではなくなり、議会に留まることができるはず」。そう確信している。
 マリンガ市から十五キロほど離れたマリアルバ市で一九五二年に生まれた。教育は日本で、という実父の意向で四歳から高知県へ留学。高知商業で学び十九歳で帰国、ポルトガル語を小学生と一緒に学び始めた。肥料販売などの傍ら、二十八歳でマリンガ総合大学商科卒業という努力の人だ。
 五日の就任式を前にクリチーバ市内のレストランで祝賀会が開かれた。州内二十以上の都市から集まった日系人は六百人を数えたそうだ。日系唯一の州議に寄せる期待の大きさが分かる。
 西森氏は「わが州は農業の州。農業がうまくいっているときは街もうまくいく。早いうちに加工生産関係のプロジェクトを立ちあげる」と公約する。「移民百周年を前に日伯交流をもう一度盛んにしていきたい。上野アントニオ元下議の意志を引き継ぐ心積もりでいる」。
 同州は三十年間、兵庫県と姉妹都市交流を続ける。今回の就任をきっかけに議会同士の交流提携も図ろうと、十月には訪日も予定する。