桜ホーム、投石で被害=犯意不明 近隣住民のいたずらか=費用なく防犯対策できず

10月15日(水)

  「ブロック塀で施設を囲ってしまわない限り、防犯対策はとれません」──。援協傘下の保養センター、カンポス桜ホーム(岸真司郎ホーム長)=カンポス・ド・ジョルドン市=で石が投げつけられ、窓ガラスが割られるといった被害が相次いで起こっている。近隣住民による悪質ないたずらだとみられているが、犯意は分かっていない。同施設はこれまでも、樹木の盗難やごみの不法投棄に悩まされてきた。犯行が最近、エスカレートしているようだ。経済的な理由で十分な防犯対策を講じることが出来ず、泣き寝入りの状態になっている。
 犯行は決まって深夜。大きな物音に驚いた夜間の看護婦が現場付近に駆けつけると、四―五人が走り去っている。
 犯人グループは正面玄関に面した私道から最短距離の地階トイレを目がけて拳大の石を投げこんでいるらしい。窓ガラスが粉々に砕けて散っている。入所者の居室は標的にされていないようだ。
 私道は施設敷地内を横切っている。所有権は桜ホームに帰属していると市役所が主張。街灯は設置されていない。夜間は付近一帯が暗くなり、「強盗事件も発生している」(岸ホーム長)。
 と言っても、私道を封鎖するわけにもいかない。バスの運行経路になっており、住民の日常生活に支障を来すことになるからだ。
 桜ホームは、老人ホームとしても十分、活用できるようリフォーム中で、経済的なゆとりはない。窓ガラスの修理など治安対策に数千レアルを出費しなければならなくなった。
 今年は、桜祭りの収益と協力券リッファ(援協特別企画委員会主催)の販売で何とか収支ゼロにこぎつけられるのだという。
 「つまらない出費ばかりが増えて、頭が痛いです」。岸ホーム長の声にはりがない。