二世の村上さん=ひらがなしか知らなかったのに=俳句、10年で急速な進歩

10月24日(金)

 第三十八回子規顕彰全国俳句大会でブラジルただ一人の入選者は二世だった。世話役の中林俊二さんのもとにはいった主催者からの連絡によって判った。稲畑汀子選で、佳作に入選したのは、村上士郎さん(六二、モジ生まれ)。作品は
まぎれなく明日嫁ぐ娘よ月朧
 村上さんは、モジ句会の世話役として、また、朝蔭、のうそん、俳壇誌の会員として活躍している。俳句歴約十年。手ほどきした中林俊二さんによれば、最初はひらがなしか知らず、俳句にならなかった。三年ほど経て漢字をおぼえ、じょじょに俳句になった。この間、句会があれば、選句後のおよそ三十句もの清書をみずから引き受け、先輩たちの作品を丹念に書き写すことによって、いい句を知っていった。
 中林さんは二十一日午後「月朧、など余韻がある俳句を詠めるように急成長した。二世でも、ひらがなしかわからない人でも勉強の仕方によって、稲畑汀子の選にはいるような作句ができる。後進はぜひ模範にしてほしい」と語った。