警視庁=巡査部長ら5人が研修=ポ語や生活習慣を学ぶ

10月30日(木)

 ポルトガル語やブラジルの生活習慣を学ぼうと、ブラジル人居住者の多い静岡、岐阜など五県の巡査部長、巡査長、巡査が今月五日からサンパウロ市に滞在している。
 清水観巡査部長(静岡県)、佐伯貴生巡査長(東京都)、今井祐樹巡査長(岐阜県)、関浩太郎巡査(長野県)、加藤尚志巡査(三重県)の五人で、十一月末まで市内の語学学校でポルトガル語の集中レッスンに励む傍ら、軍警や市警における捜査・逮捕手続きの過程や、司法制度の仕組みなどを研修。ファヴェーラ訪問などブラジルの社会状況を視察する時間も設けられている。
 帰国後は犯罪捜査に当たるだけでなく、地理案内や交通指導など生活面でも在日ブラジル人をバックアップしていく。
 今井巡査長と加藤巡査は三年前にも県警派遣の語学研修でブラジルに滞在。今回は会話力の向上が課題だが、二人とも「専門の通訳の方に頼る場合が多く、実際に自分が話すケースは少ない。なかなか語学力を維持できないのが悩み」と打ち明ける。
 三年ぶりに見たサンパウロについては、「街頭に立つ警察官がぐっと増えたような気がする」と口をそろえた。
 日系三世のエリザベス・マスノ警部主催で市警関係者との昼食懇談会が開かれた二十三日、個人旅行を含め来伯四回目となる清水巡査部長は、率先して意見交換。「現場での捜査方法、取り調べなど参考になることが多い。何よりも彼らは誇りを持ってやっていると実感できた」と手応えを語っていた。
 この警察庁主催の海外語学研修はブラジルのほかにメキシコ、韓国、台湾などの国でも実施されている、という。