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コラム 樹海

 マニフェスト(政権公約)選挙とかの衆議院選挙が始まった。我が党が政権の座につけば、これこれを確実に政策に移し実現致します―と公約して闘う選挙と理解すればわかりやすい。英国の政党政治から学んだ方法らしいが、どこか上っ面だけを真似したような気がしないでもない。政治家にしてもかなりいい加減だし上滑りの感もいなめない▼最も熱心な民主党の立候補者を調査しても「政権公約を順守する」と答えたのは四四%だけである。マスコミなどが派手に取り上げるものだから、時流に乗れくらいの反応しかないようなのは残念と言わざるを得ない。国の根幹を決める憲法にしても、自民党は二〇〇五年に憲法改正案を作ると公約しているけれども、民主党は「創憲」と書いてあるだけ▼これだけでは、どのような憲法を作るのかが見えてこないのではないか。あの政党は旧社会党からの人もいるし自民党を離脱した議員もいる。このために憲法のような国の基本に拘わる問題になると一本化するのは難しい。けれども、この程度の政権公約では有権者たちがどのように判断したらいいのかと迷うのは間違いない▼老後の暮らしを律する年金や社会保障などの課題もあるし景気回復という大きな問題をどう解決するのかも大きい。国際的には米同時テロからアフガン、イラク戦争と不透明感を強くし激動しているし日本も米支援を打ち出している。北朝鮮の核兵器や拉致も解決を急ぐ必要がある。こうした政治と外交の諸課題に各党がどう応えるのかも投票するときの基準としたい。     (遯)

03/10/30

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