コラム 樹海
山崎拓・自民党副総裁と熊谷弘・保守新党代表が落選。土井たか子・社民党首は小選挙区では落ちたけれども例で当選し議席は確保したものの国会の実力者には厳しい総選挙だった。自民党は橋本派の村岡兼三さんと政策通の相沢英之さんもが議席を失い国会を去る。恐らく、名のある政党の党首が二人も落選(土井党首は比例で当選)したのは今回が初めてのことに違いない▼自民党の副総裁が選挙に敗れたのも初めてのことだし、これまでの政治世界には通じていた「常識」が一変に引っ繰り返ったような選挙と言える。民主躍進。与党は絶対安定多数。と二大政党の訪れを告げる総選挙ながら、この陰で泣く小さな政党もある。共産党は比例のみで九議席。社民党は、旧社会党の頃の勢いはない。保守新党は四議席しか獲得できずに自民党との合流を決める。辛うじて面子を保ったのは公明党だけなのである▼こうした政界地図になるのは、今の選挙制度が始まったときから予測されていたのであり、殊更に驚くほどのこともないのだが、中選挙区で三人とか四人定員を争って闘う選挙に慣れ親しんだ移民の一人としてはいささか寂しい気もする。だが、あと二回も今の制度で総選挙があれば日本には「二大政党」が確実にやってくる▼そうなれば自民と民主の二党の対立・論戦となるのだが、外交や安全保障など国家の基本に関する見解が余りにも隔たりが大きく、これの是正を急ぐ必要がある。八日付けにある「浮沈空母」は「不沈空母」でした。 (遯)
03/11/11