在日ブラジル人子弟=大学進学への険しい道=日本当局の最終決断待ち

1月7日(水)

 日本の大学に通いたい――。日本でブラジル人学校に通うブラジル人子弟たちが大学進学を志している。しかし、日本より一年間教育年数が少ないこともあり、同校卒業者には、現状では日本の大学を受験する資格が認められていない。日本在住ブラジル人を取り巻く教育問題について、先月二十七日付、インターナショナル・プレス・オンラインが報じている。
 在東京ブラジル大使館のアウフレッド・レオニ参事官は、「法律により、日本政府の認可がない学校を卒業した学生は、大学入試の誓願ができない」とし、そのため、ブラジル政府は日本の文部科学省と討議を重ね、ブラジル人学校を卒業する生徒を保証する策を練ってきたという。
 同参事官は、「官僚間の話し合いはもうできている。後はただ、日本当局の最終決断を残すのみ」と説明、教育に関する同意書が交わされれば、ブラジル教育省が認可したブラジル人学校卒業生には、日本の大学を受験する資格の認可が自動的に下りるようになる、としている。
 ブラジル人学校生徒の高等教育に関しては、東京の私立上智大学(ソフィア)が一九九九年から、コレージオ・ピターゴラス生徒の受け入れを認めた。しかし、授業料や住居費などが高く、まだ一人も入学していないらしい。日本ブラジル学校協会のペドロ・メンデス会長は、「生徒たちの日本の大学への入学に関する正式認可は、歴史的道標になるだろう」とコメント、「地域の大学が生徒たちに入学の機会を与えてくれるだろう」と期待を寄せている。
 静岡県浜松市在住、ブラジル学校七年生のジゼレ・カナシロさん(一四)は、毎日、家庭での日本語学習に励んでいる。「日本の学校に一年から五年まで通った。私の漢字と文法の知識は完璧」と語る。家族には、すぐにブラジルへ帰国する気配がなく、日本での大学進学を夢見ている。ジゼレさんは、「大学の卒業証書があれば、仕事の選択範囲も広がり、仲間をもっと助けることができる」と、同意書の署名を待ち望んでいる。