高齢者デイケアーを=場を得て広島県人会始める=歩行困難でも受入れ=会員無料一般10レ=一日楽しく、散髪も

1月10日(土)

 ブラジル広島県人会(大西博巳会長)は今月二十七日から、サンパウロ市アクリマソン区タマンダレー街八〇〇番の広島文化センターでデイケアー(通所介護)サービスを始める。昼食・送迎付で半日、軽体操やカラオケなどを楽しんでもらう。主には会員が対象になるが、一般希望者も受け入れる。援協ボランティアとして長年活躍した高木慎子さんが、コーディネーターに就任した。大西会長は「昨年センターが完成し、多様な事業を展開できるようになった。これまでと少しは内容を変えていかないといけない」と趣旨を説明。県出身者の親睦団体から脱皮、地域社会への参加も視野に入れていく方向性を示した。
 広島文化センター建築に伴って、役員らは県出身者宅を訪問、協力を求めた。高齢のため一人で外出出来な移民一世が、少なからずいた。
 自宅に閉じこもりがちな老人が楽しめる空間をつくるのが狙い。同県人会はかつて、独居老人などを対象にした食事のサービスを実施していた。だが、新会館の建設が始まるなどして中断してしまったという。
 「移民百周年を目前に控えると、一世のお年寄りは多い。年配の方たちを大切にして、日本文化を継承していくことに意味があるんですよ」と大西会長は話す。
 さらに、「ブラジルでは在宅介護支援はまだ、充実していない。こういうサービスがどんどん、普及していってほしい」とも。
 会の性格から第一義的には、会員向けになる。一般希望者も一回につき十レアルを支払えば、サービスを受けられる。もちろん、会員は無料だ。
 対象は七十五歳以上の自立者。「一人で用を足し、食事が出来ることが必要」。送迎も考慮に入れているため、歩行が困難でも受け入れ可能だ。
 高木さんは「虹の会」を主宰。月に一回、高齢者を集めて、プラサ・ダ・アルボレのホーリネス教会でレクリエーションを行っている。援協傘下の施設でもボランティアを行っていたが、教会活動に専念したいと、昨年〃退任〃したばかり。
 後継者となるべき人材を用意するという条件でコーディネーター役を引き受けてくれた。自身、広島県内の病院で介護の研修をした経験を持つ。恩返しをしたいとの思いがあるそう。
 美容師もボランティアスタッフに加わっており、散髪もできる。マッサージ、送迎、調理などを手伝うボランティアスタッフを募集中だ。
 問い合わせ電話番号=0××11・3207・5476。