羽黒高校でサッカー指導=ジェロニモさんら=「今年は全国大会へ」

1月15日(木)

 [既報関連]八日にブラジル入りし、約二週間の日程で、サンパウロ、リオでサッカー短期留学を行なっている山形県東田川郡羽黒町の私立羽黒高校(金野信勇理事長)。一九六二年に創立され、四十一年目を迎えた昨年、野球部が甲子園に初出場、地元で話題になった。同校は進学校でありながら、特別強化クラブとしてサッカー部と野球部に力を入れるユニークな学校だ。
 八日、二十五人が来伯し、ブラジル短期留学を行なっているサッカー部は昨年、インターハイ山形県予選で惜しくも準優勝。実力はあるのに、最後の壁を突き破れない部員たちに、フィジカルコーチのジェロニモ・ヴァスケスさんは、「二〇〇四年は絶対、全国に行くよ」と檄を飛ばす。
 ジェロニモさんはリオの名門、フラメンゴとフルミネンスのフィジカルコーチを歴任、ブラジルのアメリカンスクールでの体育教師、ブラジルサッカー連盟での職務を経て、一九九六年、山形県国際スポーツ交流員として日本へ向かった。九九年にはJ2チームのモンテディオ山形のコーチに就任、二〇〇〇年に帰国したが、翌〇一年、現職の羽黒高校の常勤講師として、サッカー部のコーチを務めている。今回の短期留学でも、ブラジル側との交渉を引き受け、東へ西へと奔走している。
 もう一人の引率者、曽川博さんは、実は野球部のコーチ。新潟の佐渡高校から法政大学へ進学、新潟工業高校野球部コーチを経て、エクアドル・ナショナルチームのコーチを歴任した。
 羽黒高校野球部は昨年、第八十五回全国高等学校野球選手権記念大会山形大会の決勝戦で坂田南を7―2で下し初の甲子園出場切符を手にした。甲子園では第一試合で岩国と対戦、十安打で健闘したものの、0―6で苦杯を期した。
 引率の二人はスポーツ選手らしく、声が大きく元気がいい。ジェロニモさんと曽川さんに見守られて、羽黒サッカー部は二十三日まで、リオのジッコ・サッカースクールでのびのびと練習に励む。