サッカー=サンカエターノの富樫さん=ポルトガルのチームへ移籍

1月16日(金)

 通算十年もブラジルでサッカーをし、昨年、サンカエターノFCの一軍でプレーしていた富樫英輝選手(二八、埼玉県出身)が、ポルトガルのチームへ入団することが決まった。
 ブラジルでプレーすることについて、「(サッカー界では)日本人は差別されます。実力があっても、エンプレザーリオ(選手のパスを持つマネージャー)がちゃんと仕事をしてくれないと、どうにもならない。それによって、行く道が違ってくる」と富樫さんは経験を語る。
 最初、サンパウロ州レジストロ市にあるコメルシアルのジュニアに入団、ジュニア大会にも出場した。「小さいチームは貧しいんですね。日本の生活から、いきなり地方弱小チームの寮の二段ベッドですから、慣れるまでが大変でした。最初の二、三カ月はフェイジョンが食べれなくて…。すぐにお腹が痛くなりました」と昔を懐かしむ。もちろん最初だけだ。
 幾多の異文化摩擦を乗り越え、ゴイアス州のゴイアニア(一部リーグ)、マット・グロッソ・ド・スル州のコメルシアル(一部リーグ)などでもレギュラー出場し、コッパ・ド・ブラジルでも活躍した。
 そして昨年五月までの九カ月間はサンカエターノの一軍だった。試合にこそ出場できなかったが、常に最後の四十人には選ばれていたという。
 十一日に新天地ポルトガルのチームに合流するために、十年間住み慣れたブラジルを発った。