巡回入浴の指導も=青年ボランティア着伯

1月20日(火)

 国際協力機構(JICA)の二〇〇三年度「日系社会青年ボランティア」サンパウロ支所(小松雹玄支所長)管内派遣十九回生が十五日、ブラジル入りした。一行は十六日から二十日まで、現地適応研修をサンパウロ市の松原ホテル(パライゾ区コロネウ・オスカール・ポルト街八三六)で行い、二十一日、各活動地へと移動する。
 今回のサンパウロ管内青年ボランティアは十四人。日本語教師、文化活動、企画・編集・公報、高齢者介護など各分野で活躍する。任期は〇六年一月中旬までの二年間。なお、サンパウロ外ではブラジリア管内五人、ベレン管内四人が派遣される。
 現地適応研修は十六日、開講式が行なわれた。大雪のため日本からの飛行機が出ず、来伯が遅れた人もおり、初日は十一人のボランティアが出席した。一行は二十日までの六日間、(一)安全対策(二)ブラジル事情とブラジル日系社会(三)ボランティア活動のあり方(四)実用ブラジル語会話、実用生活慣習等の指導(五)サンパウロの歩き方(六)ブラジルにおける医療事情と健康管理について(七)関係機関訪問――などを予定している。
 二年前、岩手県人会の記念式典で来伯したことがある及川さおりさんは、ブラジルに興味を持ったきっかけについて、「当時、一世たちの苦労話を聞いて、彼らが困難を乗り越えてきた強さに感動した」と語った。今後は日本語普及センターに派遣され、日系学校を中心に生け花など文化講座を手懸けるという。
 福井県でタウン情報誌の編集をしていた長谷川豊さんは、経験を活かして、県連の企画・編集・公報を担当する。「ブラジルは初めて。海外で働きたいと常々考えていた。まずはいろんな人に出会って、日系社会について勉強したい」とした。
 援協に派遣される青木直美さんは高齢者介護を行なう。日本で看護士として、巡回入浴などの介護技術を身につけており、「一世の方々と日本語で対応するつもり。日本でやっていたことを、ブラジルにも取り入れることができたら」と抱負を述べた。