『ブラジル老壮の友』創刊30周年=老ク活動発展と共に歩む

1月21日(水)

 老人クラブ連合会(重岡康人会長)の機関誌『ブラジル老壮の友』(月刊)が、このほど創刊から三十周年、〇四年一月号が三百六十号となった。一年十二カ月×三十年で三百六十号、つまり、毎月一回三十年欠かさず発行してきた。商業紙(誌)でないのに、よくぞ、と評価されよう。
 同誌一月号によれば、発刊のきっかけは、七三年十月、日本から老人クラブ指導の専門家、『日本老壮の友』編集長、木村健一氏をブラジルに招聘したことによる。同氏の熱心な指導により、日系社会に老人クラブ結成ブームが起きた。
 援協の原沢和夫常任理事、小畑博昭事務局長、竹田昊相談部長らが、『ブラジル老壮の友』発刊を提案し、七四年一月創刊号が発行された。以来三十年である。
 小畑さんは、創刊号の記事のなかで、「老人クラブは何をするのか」について述べた。六項目あったが、これはいまも依然新鮮で生きている。(1)時代学習(世の中の進歩に後れないよう、常に勉強を怠るな)、(2)家庭学習(家庭の悩み事を話し合う。孤独に陥らないようにする)、(3)健康長寿学習(健康長寿に関わる勉強、その実践)、(4)奉仕活動(生活体験や持てる才能を地域社会に役立てる)、(5)レクリエーション活動(活動を通じ、仲間と心の健康を養う)、(6)地域交流(ほかの団体と交流をする)。
 一月号はさらに、機関誌の活用を呼びかけた。「高齢者はとかく、社会的に弱者的な見方をされるが、われわれの活動は、やり方によっては、まだまだ日系社会をはじめ、ブラジル社会に大きく貢献することができる。時代が目まぐるしく移り変わり、次世代へのバトンタッチが叫ばれている中、ブラジル日本移民百周年を四年後に控え、われわれ老人クラブ連合会会員は、自分たちが経験したことを後世に残していかなければならない。そのためにも、今後とも『老壮の友』という機関誌を大いに活用する必要がある」。
 機関誌生みの親、小畑さんは、特別寄稿の中で「このたび『同じ仲間の輪』に帰らせていただき、こんなうれしいことはありません」と書いた。