日系農協活性化セミナー開始=中南米73団体の結束を=日系農協連絡協議会発足へ

1月27日(火)

 第四回日系農協活性化セミナーが、二十五日に松原ホテル(サンパウロ市パライゾ区)で始まった。主催は、JICAサンパウロ支所(小松雹玄支所長)とブラジル農業拓殖協同組合中央会(原林平会長)。三十一日までの日程で、講演や分科会などを行い、二十八日には南米日系農協連絡協議会(仮称)の結成も目指す。
 午前七時半からの開講式には、ブラジルやパラグアイ、ボリビア、アルゼンチンから二十二団体、およそ四十人が出席。小松支所長は「かつてブラジルには百を越える単協があったが、現在では六十近くに減った」と現状を語った上で「中南米七十三の農協が情報を持ち合い、商売で提携しあう必要がある」と提唱した。
 また、原会長は「今回で中南米の協議会が発足することを期待している」と今セミナーへの意気込みを語る。最後に、サンパウロ日本国総領事館の山口克己領事は「世界の穀倉地帯といわれる南米は注目を集めている。市民の朝夕の食卓に安全なものを出すことが重要」と呼びかけていた。
 続いて、各研修員が「組合の現状・問題点・課題と今後の展望」を発表。午後からはサンパウロ州農業協同組合連合会(OCESP)会長補佐で国際農協組合連盟南米代表の内海アメリコ氏の講演「協同組合主義について」。同じくOCESPのユリ・コスタ・デ・オリベイラ氏が「活性化に関わる基調講演」もあった。
 今後の予定は以下の通り。
 二十七日、午前九時から講演「モデル農協―組合主義と運営」(ジュアゼイロ農協、佐々木雅人パウロ会長)。午後二時から講演「実践農業について」(サンタカタリーナ州のニンニク生産者、長南種の生みの親でもある長南俊氏)。午後六時半から分科会。
 二十八日、午前九時から講演「植林とその効果について」(アルトゥールノゲイラ市、植調を行なうアグロコスモス社、近磯和氏)。午後四時から南米日系農協連絡協議会の発足会議。
 二十九日から一泊二日で視察旅行。オランブラ市の花卉市場、コルデイロポリス市の柑橘試験場をはじめ、イツベラーバ市の綿花栽培農場、グアイーラ市の穀物類の生産モデル農場を視察。