「人との信頼関係築く」=青木智栄子氏、〝経営〟語る

2月24日(火)

 ブラジル日本商工会議所(田中信会頭)の企業活動委員会は、十九日午後七時より青木智栄子氏(ブルーツリーホテル社長)を招いて、「二世成功経営者の話を聞く会」を商工会議所会議室(パウリスタ通り四七五番、十三階)で開催した。
 今回は企業委員会主催による第一回目の講演会であり、三十人の参加者は青木さんの『日系企業と進出企業のブラジル社会への貢献』を熱心に聞き、講演後の質疑応答にも活気があった。
 青木さんは日本生まれのブラジル国籍で、日本語、ポルトガル語、スペイン語、英語を話す。USP法学部卒、上智大、コーネル大でも経営学を修めた才女であり、二〇〇二年には経済専門紙ヴァロール紙のヴァロール・エゼクチヴォ賞を受賞しており、ブラジルの経済界では最も有名な日系人でもある。
 一九九八年にブルーツリーホテル社長に就任し、現在二十二のホテルを経営、今年中に二棟をオープン予定、四棟を建設中で、十二カ所で建設を検討中。二〇〇三年の売上は一億九千七百万レアルで、毎年黒字を計上している。
 彼女の経営哲学の柱は「人との信頼関係を築く」ことであり、身分にわけへだてなく、損得抜きの本当の友人関係を作ること。
 従業員トレーニングには茶の湯の精神や礼儀作法を取り入れて、日本人特有の(気配り)を教え込み、お客対応に取り入れており、競合ホテルとの差別化の一つになっている。
 また慈善事業にも精力的に取り組んでおり、恵まれない子供達に教育の機会を与えているアイルトン・セナ協会などに寄付している。
 進出企業の駐在員に対して、色々なブラジル人との家族ぐるみの付き合い薦めていた。
 講演後の質疑応答で、「青木さんのパワーの源はなんですか」の問いに「物事にくよくよしない事と、友人、家族を大切にする事」。また「ホテル経営で苦労したこと」の問いに「リオ州のアングラでのホテルオープン時に大雨に降られ、停電、雨もりでてんてこ舞いした事」。
 やはり女性でありながら、これだけ大きな事業をする人は体全体が輝いているようにみえた。