憩の園で今年も〝出張レストラン〟=ブッフェ矢野の厚意4回目=ビール2杯飲んで「このまま死んでもいい」=女性入居者の喜びの声

4月1日(木)

 「私もう、天国にいっても構いません」──。ブッフェ矢野(矢野クリスチーナ社長)が三月三十日、憩の園(中川テレザ園長)のお年寄りたちに昼食を振る舞った。ブラジル発展に貢献した移住者たちに敬意を表したいと、今年が四回目。キーボードの生演奏や太鼓のショーも企画され、同社の粋な計らいに、入所者たちは大喜びだった。
 これまで、〃出張レストラン〃は夕食に行われていた。日中のほうが時間的な余裕があることから、今年から昼食に切り替えた。
 その結果、食事だけでなく、様々なプログラムを用意できることになり、日本の歌なら自信をもって歌えるというパキットさん(キーボード奏者)や太鼓グループの「ひまわり」が協力を買って出た。
 憩の園のボランティア・グループ「喫茶いこい」のスタッフも応援に加わり、食事の介助などを手伝った。
 刺し身、にしめ、春雨などが食卓を賑わした。食材は、趣旨に賛同した日系人より、贈られたものだ。
 ある女性の入所者は「今日はビールをグラス二杯飲みました。おいしかった。何年ぶりでしょう。このまま死んでもいいわ」と喜んでいた。
 あいさつに立った矢野セリーナさんは「私の父は亡くなりました。みなさんがお父さんであり、お母さん。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と涙交じりに語った。