コラム 樹海

 漢検――日本漢字能力検定をいう。在日本の(財)日本漢字能力検定協会が、受検(六月サンパウロ、リオで実施。サンパウロは九回目)を呼びかけている▼特に、一世に対して(ということは高齢者に対して)生涯学習としても意味がある、と受検をすすめる。生涯学習は高齢化社会の到来とともに言われ出した。要するに、死ぬまでボケないで頑張ろうということだ▼日本の場合は、受検者の年齢層は四歳から九十四歳までと幅が広い。ブラジルは、年少層は日本語学校生徒が受検するため、比率でいえば日本に比べて遜色ないが、中年・壮年層はほとんどいず、高齢層はやる気満々の人が稀に注目される程度である。昨年は、パラナ州在住の、戦前子供移民として渡伯した八十五歳の人が難関に挑戦した▼ふだん(日本語の)読書に親しんでいる人なら四級(検定レベルは常用漢字千三百字を理解)、三級(同千六百字)あたりが、手ごたえのある〃相手〃と思える。準二級、二級となると、少しマニア的に漢字に親しんでいないと、正解が少なくなる▼いずれにしても、高齢者は漢字の読み方には強いが、書き方、その他の問いには苦戦することがわかっている。また旧字体はおぼえていても、新字体にとまどったりする▼漢検の受検料は七級以上準二級までは六十レアル。検定時間は六十分。答案は日本に送られ、合否にかかわらず、批評が戻ってくるという。孫や曾孫と机を並べて受検するのも、生涯学習らしくて好ましいのだが…。(神) 

04/04/02