東西南北

4月20日(火)

 サンパウロ州ブロドウスキ市の病院に十八日未明、「苦しい、助けてくれ」と救助を求める男性の電話が鳴った。男性は「車もなく、バスやタクシーも家の近くにない。早く来てくれ」と訴え、病院側は急いで救急車を同市郊外に住む男性のところへ向かわせた。指定した場所に着くと、待っていたのはナイフを持った強盗。運転手を取り押さえ、救急車を乗っ取った。強盗は逃走中だという。
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 サンパウロ市南部シャカラ・イタイン区のサンパウロ州水道局(SABESP)工事現場で、下請けのコンストルテム社作業員クラウジオ・シウヴァさん(三六)は水揚げ作業中に突然、地滑りで側にあった生コン撹拌(かくはん)機や水揚げポンプとともに土砂の中に埋没した。救出作業は土砂崩れが続発したため難航し、シウヴァさんは二十五時間後にようやく遺体となって発見された。工事は同地域の下水浄化槽からピニェイロス川への配管作業であった。
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 サンパウロ州ジュンジアイー市で十六日午後、高校三年生のクレイジ・C・シウヴァさん(一八)が、二人組の強盗に射殺された。被害者はスポーツセンターを出る時、自分より若くみえた犯人らに自転車を渡すよう求められたが、それを拒否、胸部を撃たれた。同センターの警備員が病院へ運んだが、クレイジさんはそこで絶命。犯人はまだ見つかっていない。
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 都市部では人口集中が加速しているが、集合住宅に住む人の割合はまだ低い。全国家庭サンプル調査(PNAD)によると、全国の住宅四千六百五十万戸のうち、マンションは一一・八%占めるに過ぎず、一戸建て住宅は八七・六%と主流。不動産の七三・九%は持ち家、一七・二%は借家、八・四%は家賃なしの住居(親や他人に譲ってもらった家)で、この割合は前回調査とほぼ変わらない。