日系高齢者増える=ロンドリーナ=最高齢は宝田さん103歳

4月27日(火)

 [ロンドリーナ]ロンドリーナで日系高齢者が増えている。アセル(ロンドリーナ文体協)がこのほど隣組組長と連絡をとり、八十歳以上の高齢者を調査したところ、二百六十人あまりが判明した。この数字について、一割は調査漏れがある、と指摘する人もいる。最高齢者はジャルジン・サンレーモに住む宝田コヨさん(香川県人)、百三歳とみられている。コヨさんは一九〇〇年十二月九日生まれ、年末までに百四歳を迎える。
 コヨさんは、二十二歳で、同じ香川県人の宝田一さんと結婚、渡伯。一男九女に恵まれたが、夫は六十歳で死去、一人息子の八郎さんも五十二歳、その妻カズエさんも五十歳で病死した。
 他家に嫁いだ九人の娘たちのうち、現在残っているのは、長女トシ子さん(八二)、四女友子さん(七一)、九女マルシアさん(六一)の三人のみ。「長生きして迷惑をかけていますよ」と語るコヨさんに対して、孫と曾孫が同居してコヨさんを〃宝〃のように世話をみている。これは街の評判になっているほどだ。
 孫夫婦の橋本八郎さん(四八)とサンドラさん(四四)は、息子のチアゴさん、ルッカスさん、そしてコヨさんの五人家族で暮らしている。サンドラさんはコヨさんを看るために銀行を退職して世話しており「ばあちゃんは三度の食事も欠かしたことがなく、カフェと日本食が大好き。孫は十八人おり、わたしたちが世話できるのは幸セです」と話している。コヨさんの長寿は、孫夫婦の愛情に支えられているように思えた。(中川芳則通信員)